船出
あなたは言った
船を作ろう
私は言った
空っぽのこと
波が行き着く 道具の斜面
ペンが歩いて 塩に揉まれる
あなたは言った
わたしを捨てて ボートを進め 海を渡ろう
誰かが言った
オールを使え 誰も捨てずに 進める道具
私は船の マストの布に 夜空で光る 家を描いて
人々は今 空を見上げて 小さな船で 海へと進む
あなたは船に 袋を乗せて 中に入った 物を隠して
私は岸の 小さな家の 窓の中まで 覗こうとした
家に残った 机の上の
残り道具は 波にはねてる
夜空に昇る 形になって
私の船と 同じ航路で 進み続ける 知らない果てへ
今では空を 中心にして 誰もが終わらぬ 円を描いてる