線
しかたがないんだと君は歌ったよ
ホタルの神経が長くのびて大木までつながる茎になってたよ
それから君たちは長い茎をひっぱって、海辺までぺたぺたとすすんでいったよ
葉のおとす胞子が火山灰みたいにゴーグルに積もったよ
海辺で私は缶ジュースをのんでいたよ
海のクジラは遠くへ帰りたがって歌ったよ
悲しい歌は好きじゃないから、砂の城をつくって待ってたよ
やっと来た君が持っていたのは、クジラのヒゲを弦にしたギターだったよ
近くで君たちはクジラにギターをきかせて
茎と枝葉が振動するのを海辺のみんなが見ていたよ